肝機能を低下させる4つの原因
肝機能が低下する主な原因に、ウイルス感染・薬物・遺伝・肥満があります。これらを一つひとつ見ていきながら、肝臓に与える影響や、原因、症状等を探ります。
肝臓には、体内の老廃物や有害物質を分解する働きがありますが、肝機能が低下すると、分解や代謝がスムーズにできなくなります。体内に有害物質が残ってしまうため、全身疲労や食欲不振等、様々な症状が現れます。
肝機能が低下する原因で、もっとも多いのが、アルコールの過剰摂取です。摂取したアルコールの量が、肝臓の分解能力を大幅に上回るため、肝機能が低下します。肝臓を休めてあげると肝機能の改善につながりますが、実はそれ以外にも肝機能を低下させる原因がいくつかあります。例えば、ウイルス感染や薬による影響、遺伝、肥満等。単に休肝日を設ければそれですむ問題ではありません。これらについてきちんと理解して、肝臓の健康を維持しましょう。
しかし、肝機能が低下してしまう原因はアルコールだけではありません。肝臓の健康を維持するためにも、もう少し別の原因にも目を向けてみましょう。
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日本人に多いB・C型肝炎
ウイルス性肝炎は、血液や体液を通して肝炎ウイルスに感染して発症する肝炎です。感染ウイルスにはA・B・C・D・E型があり、原因となる型によって、「A型肝炎」「B型肝炎」のように呼ばれます。日本人にもっとも多い型が「B型肝炎」「C型肝炎」です。かつては出産時の母子感染や輸血で感染していましたが、現在では激減しています。肺炎が悪化すると肝硬変や肝臓がんに進行しますが、早期発見・治療でコントロールできる病気です。
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風邪薬で肝機能が低下する!?
薬を服用していると、薬の成分や肝臓の状態によっては、肝機能障害を引き起こすことがあります。これを「薬物性肝機能障害」といいます。肝機能が低下している時に服用すると、代謝した時に薬の毒性で肝臓がダメージを受けて、症状を悪化させたり、かゆみや湿疹等のアレルギー症状が出たりします。特に解熱鎮痛剤に含まれている「アセトアミノフェン」やホルモン薬等は、肝機能障害を起こしやすいので注意が必要です。
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遺伝と肝機能の低下の関係
肝臓の病気と遺伝の関係は、現在研究が進められている途中で、正確なことははっきりしていません。ですが、糖尿病のように遺伝性の病気が原因で肝機能が低下することはあるようです。また日本人の大半は、アルコールの分解に関係する酵素の分泌量が悪く、肝臓を壊す人が少なくありません。こうした体質は、親から子へと受け継がれていくので、間接的とはいえますが、遺伝が肝機能に影響を与えていると考えられます。
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肥満から全身疾患を招く
肥満になると、全身疾患を始めとする、様々な病気を引き起こすといわれています。肝臓にも悪い影響を与え、食生活や生活習慣の乱れから、脂肪が肝臓に蓄積される「非アルコール性脂肪肝」になる人が急増しています。肥満と病気との関係で特に注目されているのが、生活習慣病です。食生活が変化して、カロリー過多から、高血圧・糖尿病・高脂血症になります。こうした生活習慣病は、動脈硬化を促進させて心筋梗塞などの重大な病気を引き起こします。