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健康食品を摂取する

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「健康食品」は肝機能を改善する強力ツール タウリンやクルクミン等の栄養素は、肝臓に優しい成分です。これらをバランスよく配合した健康食品を摂取すると、肝機能の改善効果が期待できます。肝機能を高める成分や、健康食品について詳しくみていきましょう。

健康食品が効果的な理由

肝機能の改善に効果がある栄養素の一つに亜鉛があります。牡蠣やレバー、牛乳等に多く含まれる成分ですが、大量に摂取するとカロリーオーバーやコレステロールが気になります。オルニチン・タウリン・ビタミンも肝臓が必要とする栄養素です。これらをバランスよく摂ろうとすると、高カロリーの食品を大量に食べなければなりません。そこで活用したいのがサプリメント等の健康食品です。サプリメントには、肝臓や健康にいい成分がぎっしりと詰まっているので、カロリーやコレステロールを気にせずに、必要な成分を効果的に摂取できます。

健康食品を選ぶ際に
注意すべきこと

サプリメントや健康食品を選ぶときに、抑えておきたいポイントが3つあります。一つめは「配合成分」。肝機能を高める成分には、タウリンやオルニチン、スルフォラファンがあります。どんな食品から抽出し、何種類配合されているのか、抽出方法や製造方法なども抑えておくといいでしょう。

二つ目は「添加物」です。余分な添加物が入っていると解毒が追い付かなくなり、肝臓に蓄積されて肝機能を低下させます。なるべく添加物が少ないものを選びましょう。

三つ目は「脂溶性ビタミン」です。脂溶性ビタミンA・D・K等を過剰摂取すると、添加物と同様に肝臓に蓄積されて肝機能を低下させます。水溶性ビタミンを多く含むものを選びましょう。

健康食品を使用するときのポイント

アレルギーに注意

病院で処方される医薬品や治療薬と違い、健康食品は基本的に自己判断で購入するものです。したがって、その健康食品に含まれる成分に対してアレルギーを持っていないか、服用することでアレルギー反応が起きる可能性がないかどうかを自分で判断して購入する必要があります。 天然由来のものや自然由来の成分が配合されていたとしても、アレルギーを起こす可能性がゼロとは言い切れません。しかし、健康食品を摂取することで得られるメリットがあることも事実です。健康食品によって、全ての人がアレルギーを起こすわけではありませんが、購入の際は成分表示を確認するといった注意は必要でしょう。

薬との併用

定期的に病院で診察や治療を受けている方や、毎日内服する薬を渡されている場合「薬に加えて健康食品を組み合わせることで、病気が早く治るのではないか」と考えることがあるかもしれません。特に、食生活の改善などを病院で指摘されている場合、有効成分が配合された健康食品を摂取すれば、気軽に健康が維持できそうにも思えます。 しかし、健康食品のなかには有効とされる成分以外にもさまざまなものが配合されていることがあり、組み合わせによっては薬の効果が弱くなってしまうこともあるのです。持病などがあり、定期的に診察や服薬をしている人が健康食品を摂ろうとする場合は、事前に医師や薬剤師に相談することを強くおすすめします。

複数の製品の摂取

健康食品を摂ると体に良いからという理由で、あれもこれもと複数の製品を摂取することも、健康被害のリスクを伴うためおすすめできません。なかには人の体への影響が解明されていない成分が配合されているものもあるため、自己判断で多数の健康食品を摂取する際は注意が必要です。万が一体調が悪くなったときに、どの健康食品によるものなのかの原因究明も難しくなるので、ひとつに絞って摂ることが望ましいでしょう。

健康食品を摂るタイミング

健康食品やサプリメントを摂る際は、タイミングを考えて摂ることにより、更に効果を感じやすくなります。サプリメントを摂るのに良いタイミングは、配合されている成分や期待される効能によっても違います。

栄養補給を目的とする場合

栄養補助や補給を目的としてサプリメントを摂取する場合は、食後に摂るのがおすすめです。食事で摂るべき栄養をしっかりと摂った後に、足りない栄養を補う形で摂取します。

満腹感をあおるものは食前

ダイエット目的で使うサプリメントは、満腹感をあおってその後の食事を少量で満足させるため、食前に飲むのが良いでしょう。

アミノ酸系は空腹時に

アミノ酸系のサプリメントは、食事によって摂取したたんぱく質が吸収される前の空腹時に飲むのが最適です。

健康食品がおすすめな人

手間暇をかけて食事の管理ができる自信があれば良いのですが、普段の生活のなかで、食事のケアを毎日続けるのは意外と大変です。

  • 健康には気をつけたいけど忙しい人
  • 残業が多くて食生活が乱れがち
  • 偏食や好き嫌いが多い
  • 夫やお父さんの体調が心配な方

このような人には、手軽に摂れて健康がサポートできる健康食品やサプリメントはおすすめです。 肝臓に良いと言われるオルニチンは一日に400~1000mgが必要と言われています。しじみやえのきに多く含まれる成分ですが、普段の食事で毎日摂るのはなかなか難しいところ。

サプリメントなどの健康食品を取り入れて、健康管理に上手に役立ててみてください。

肝機能を改善させる
効果がある栄養素・成分

  • 1

    タウリン

    肝炎患者の肝機能改善にも有効性が示唆されているタウリンは、ヒトの心筋や筋肉、脳、肺、骨髄などにも存在している成分です。イカやタコに多く含まれていて、血中脂質の改善や肝機能の向上、血圧低下などに効果があると言われています。

  • 2

    クルクミン

    肝臓に蓄積した中性脂肪等を減少させ、脂肪肝を改善します。ターメリック(ウコン)に含まれる黄色色素クルクミンは、抗酸化作用や発ガン抑制などに有効と言われている成分です。ウコンの中でもクルクミンは秋ウコンの方が多く、春ウコンの3倍以上含まれています。

  • 3

    オルニチン

    肝臓の解毒作用を促し、脂肪肝の予防・改善効果があります。しじみに多く含まれる遊離アミノ酸・オルチニンは成長ホルモンの分泌促進や、疲労軽減に有効な成分として知られています。肝臓ではアンモニアと結合し尿素合成をサポートします。

  • 4

    セサミン

    ゴマに0.67〜6.35mg/g含まれているセサミンは、血清コレステロールを改善する健康成分として注目されています。ゴマの健康成分として知られる一方で、ゴマのわずか1%未満にしか含まれていない成分でとても貴重です。効率よく摂取するにはサプリメントの活用が便利です。

  • 5

    アラニン

    肝臓の分解能力を高めて、二日酔いの予防・改善効果があります。アミノ酸の一種であるアラニンは、アルコールの分解を促進したり、肝機能を強化したりしてくれる栄養素です。甘味を持ち、天然の食物添加物としても活用されています。牛レバーや、しじみなどに多く含まれています。

  • 6

    メチオニン

    必須アミノ酸の一つ、メチオニンはアレルギーを引き起こすヒスタミンを抑制し、肝機能を高めてくれる栄養素です。うつ症状の改善や老化防止、ヘアケアにもいいと言われています。お酒を大量に飲むとメチオニンが肝臓で大量消費されてしまいます。

  • 7

    スルフォラファン

    γGTP・ALTの数値を改善して解毒作用を促す作用があります。ブロッコリーなどアブラナ科の野菜に多く含まれているファイトケミカル、スルフォラアファンは1997年にブロッコリーの健康成分の一つとして発見されました。特に新芽に多く含まれ、高い抗酸化作用を持っています。

  • 8

    甘草エキス

    砂糖の50倍以上の甘みを持つ植物、甘草から取れる甘草エキスは免疫力の向上や肝機能向上、アレルギー抑制、ストレス緩和作用などの健康効果がある成分です。古くから世界各地で薬用植物として親しまれてきた甘草は、古くはローマ帝国の時代にも用いられていたそうです。

  • 9

    ウコン

    胆汁の分泌を促進して消化を促し、脂肪の分解を促進する働きがあります。クルクミンと呼ばれる黄色色素を主成分とするウコンは、肝臓機能の向上や胆汁分泌を促進する植物です。ターメリックの別名を持ち、カレーのスパイスとしても親しまれています。

  • 10

    アリシン

    にんにくに豊富に含まれているアリシンは、香気成分で疲労回復を助けてくれる成分です。また、活性酸素の除去や血流改善、血糖値の上昇抑制などの作用を持ちます。アリシンを効率的に摂取するには刻んだりペースト状に潰すのがオススメです。

  • 11

    クエン酸

    食酢やレモンに多く含まれているクエン酸は酸味を形成する成分です。肝臓病の改善効果や、疲労回復効果などがあります。ヒトの体内でクエン酸は食べ物をエネルギーに変換するために必要不可欠な成分となっています。代謝を高めて肝機能を改善し、肝臓病を予防する効果があります。

  • 12

    レシチン

    脂質の一種であるレシチンは、脳や神経細胞に多く含まれている成分です。アセチルコリンという神経伝達物質を作るために必要な成分で、肝臓を保護してくれる作用も持っています。大豆や卵黄に多く含まれています。肝臓の代謝を高めて、脂肪肝・肝硬変の予防・改善効果があります。

Good!Foods

肝機能改善に効果がある
必須アミノ酸を効率よく摂取できる健康食品

肝機能を高める成分の中でも、特に注目が集まっているのが、必須アミノ酸(アミノ酸)です。必須アミノ酸は生きていく上で、欠かせない重要な栄養素。9種類の必須アミノ酸には、肝機能を向上させる働きがあり、特に肝臓内に蓄積した老廃物を排出させるメチオニンや、肝臓に余分な脂肪がたまるのを防ぐスレオニン(トレオニン)は、肝機能を改善させる上で欠かせない成分です。ところが、必須アミノ酸は体内で生成されません。食事だけで補おうとすると大変ですが、健康食品を取り入れるとバランスよく摂取できます。様々な種類がありますが、そのなかでも「MUSASHI」は高品質の必須アミノ酸を配合した理想的なサプリメントです。

健康食品に関する薬物性肝障害

体に良いと思って何気なく口にしている健康食品は、摂り方を間違えれば薬物性肝障害を発症してしまうリスクがあるものも。2017年に独立行政法人国民生活センターが報道発表したところによれば、2014年8月から2017年7月までに「医師からの事故情報受付窓口」に医師から寄せられた事故情報のうち、健康食品が原因となっていた「薬物性肝障害」は9件もあったそうです。また、公益社団法人日本医師会が実施している「健康食品安全情報システム」事業では2006年から2017年までの約11年間で寄せられた健康食品が原因の「薬物性肝障害」は27件だったそうです。

件数としては少ないように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、薬物性肝障害は、重症化すれば入院が必要となるケースや、命を落としてしまうケースもあります。もしも、健康食品を摂り始めてから体のだるさや食欲不振、発熱、嘔吐、かゆみ、発疹、吐き気などが出た場合には早めに病院へ相談をしましょう。

なぜ薬物性肝障害が起こるのか?

薬物性肝障害は、体質に依存して起こるもので性別や年代によって発症に偏りがあるわけではありません。最初はなんともなかったのに、長期間健康食品を使用し続けたことで発症する場合もあるため、注意が必要です。薬物性肝障害は、原因となる健康食品や薬剤の服用をやめることで症状の緩和・治癒が見込まれますので、「おかしいな?」と思ったら、まずは摂取をやめることが大切です。

薬物性肝障害は成因別に,予測可能なものと予測の不可能な特異体質によるものとに大別され,その多くは後者である.後者はさらにアレルギー機序によるものと,個体の特異体質に基づき産生された肝毒性の高い代謝物が肝障害を生じると考えられるものに大別される.〜中略〜2008年6 月の日本肝臓学会総会(恩地森一会長)で,1997年1月から2006年12月の薬物性肝障害1,676例の解析を行った.年齢は50歳をピークに中高年が多く,薬物使用期間は平均87日であった.起因薬物は抗生物質,精神科・神経科用剤,健康食品の頻度が高く,以前に比し抗生物質の症例が減少し,健康食品の症例が著増していた

出典:「薬物性肝障害の診断―わが国の実態」日本内科学会雑誌,98,2009 [PDF]
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/98/Suppl/98_100c/_pdf/-char/ja

健康食品に関する消費者トラブルの例

ボトルジンユ健康茶の服用で高度肝機能障害に

ボトルジンユを園芸店で購入し、葉を煎じて健康茶として服用したところ、服用開始から2か月ほどで黄疸を自覚症状として訴えた。

医師に相談したところ、高度肝機能障害と診断。その後ボトルジンユの健康茶の服用を中止して10日間入院したところ回復に至った[1]。

長年服用していた3種類の健康食品で肝障害に

薬物性肝障害は数年以上にわたって摂取し続けているものでも症状を引き起こす可能性があります。

50代の女性が倦怠感を解消するために健康食品を3種類、10年間使用していたところ、半年ほど発熱や倦怠感を訴えるようになり、検査したところ薬物性肝障害と診断されました。

摂取していた健康食品は、スピルリナ、霊芝、麹菌、玄米、大豆、貝カルシウムなどを含む2製品、そしてアレロラ果汁などだったそうです。どれも毎日摂取している方が他にもいそうな健康食品ばかりです[2]。

サプリメントの摂取を続けて薬物性肝障害重症に

知人に勧められたサプリメントを3種類使用していた70代女性が、倦怠感や尿の褐色、黄疸などを自覚症状として生じ病院を受診。血液検査で急性肝障害と診断される。

2~3か月前から摂取していたサプリメント3種の服用を中止したところ、症状は緩和。薬物性肝障害と診断され、入院を1か月強することとなった[1]。

【参考URL】

参考[1]:国民生活センター 平成29年8月3日 報道発表資料「健康食品の摂取により薬物性肝障害を発症することがあります」(PDF)
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20170803_1.pdf

参考[2]:国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報「いわゆる健康食品との因果関係が疑われる健康被害 (症例報告) (2016.11~)」
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail3385.html