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Rational symptom

倦怠感

肝機能と関係する倦怠感の症状や特徴

ここでは肝機能障害の初期症状として起こる「倦怠感」について症状や原因をまとめています。肝機能障害以外にも貧血やうつ病など倦怠感から考えられる他の病気も記載しているので、参考にしてみてくださいね。

倦怠感とは

心身の異常から起こる体のだるさや疲労のこと。症状としては全身のだるさや疲れやすさ、体のコリ、やる気がでないといったものが挙げられます。何をするにも面倒くさくなり、日常生活にも支障が出てしまいかねません。

倦怠感の原因

ストレスや過労などさまざまな原因があります。中でも多いのが自律神経の乱れや内臓の機能障害。

不規則な生活や食事バランスの偏り、ストレスで体に必要な栄養素が不足すると自律神経が乱れ、倦怠感を招きます。交感神経が極度に緊張してしまうことが原因なので、自律神経の活動レベルを上げて整えることで和らげることができます。適度に軽めの運動をしたり栄養バランスのいい食事をとったりするなど生活習慣を改善することで倦怠感の解消につながるでしょう。

内臓の機能障害からくる倦怠感は、腎臓や肝臓、心臓の機能低下が原因。改善することで倦怠感も徐々になくなっていきます。お酒を飲む人であれば少し量を控えて休肝日をつくるのがおすすめ。悪化させてしまうと倦怠感だけでなく発熱や黄疸など治療が必要になってくるため早めに改善しなくてはいけません。

肝機能低下と倦怠感の関係

肝臓の機能が疲れや何らかの病気によって低下した場合、体が妙にだるくなったり、疲れが取れにくかったり。倦怠感を伴う症状を引き起こすことがあります。

一見肝臓と倦怠感は関係ないように思える方もいるかもしれませんが、肝臓の不調がだるさや疲れを引き起こすこともあります。

倦怠感は肝臓疲労のサイン!?

サイレントキラーと呼ばれる肝臓は、疲労感のみならず何らかの不調を感じた時には機能低下が進行していることもしばしば。そもそも疲労や運動不足、徹夜などの睡眠不足は肝臓を疲れさせてしまう生活習慣です。

肝臓は、臓器の中でも毒素を排出してくれる器官です。そのため、肝機能が低下すると体に毒素が周りはじめ、倦怠感を引き起こしてしまうことがあるのです。

肝臓の機能低下が引き起こす倦怠感のメカニズム

肝臓は、心臓から循環される血液の約4分の1相当の血液循環を調節する機能を持ちます。そのため、何らかの原因で肝臓が疲れてしまえば循環不足が引き起こされ、慢性的な倦怠感を感じやすくなります。

また、疲労物質である乳酸は、ブドウ糖をエネルギーに代謝した際にできるいわば燃えかすです。乳酸が蓄積すると筋肉痛や肩こり、頭が重いなど倦怠感を引き起こします。この乳酸を唯一処理してくれているのが肝臓です。そのため、肝臓が乳酸を分解・排出する機能が低下することで疲労感が増すという説もあります。ただし、乳酸と疲労の関係については、諸説あり、疲労はどうして生じるのか、人はどうして疲労を感じるのかに関する研究が今後進むことが望まれています。[1]

肝臓の持つ解毒能力の低下も脳への疲労サインを送るきっかけとなります。アルコールの飲み過ぎでアルコール分解を担う肝臓に負担がかかったときを例に見てみましょう。もともとアルコールは適量を摂取していれば胃液の分泌を促進し消化を高め、さらに血液循環を促すことで疲労を改善してくれます。ところが、アルコールを大量に飲み肝臓が分解に追いつかなくなれば、肝臓も疲れきってしまい倦怠感を生じさせます。

また、生命活動の原動力にもなるATPという物質は肝臓にあるミトコンドリアが作り出しています。ところが、このミトコンドリア、同時にアンモニアの除去や飲酒後の中間代謝物であるアセトアルデヒドの代謝も担っています。そのため、飲み過ぎで肝機能に負担をかければATPを産出するよりもアンモニアやアセトアルデヒドの解毒・代謝に力を注ぐこととなり、エネルギー産出を阻害してしまうのです。[2]

[1]参考:『疲労の分子神経メカニズムと疲労克服』日薬理誌,129,2007
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/129/2/129_2_94/_pdf/-char/ja

[2]参考:『石井先生の遺産 : アルコール消化器内科学の未来』日本アルコール・薬物医学会雑誌,46,2011
https://iuhw.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=398&item_no=1&page_id=13&block_id=17

倦怠感から考えられる病気

顔がむくむ場合は腎臓や肝臓など内臓系の病気、高熱やせきが伴う場合は風邪やインフルエンザといった病気が考えられます。中でも起こりやすいのが急性肝炎。ウイルスの経口摂取で簡単に感染してしまうため、かかりやすいと言われています。

「体が疲れやすくなった」だけでなく食欲低下や足のむくみ、お腹の張りが見られたら危険信号です。急性肝炎では、感染初期に倦怠感や発熱、頭痛などが発症します。風邪と似ていますが、腹痛や下痢など消化器系の症状も。

感染して1週間ほどで目の黄染が現れ、徐々に黄疸の症状が出てきます。何もせずに放置すると劇症化してしまうため、黄疸が現れた場合はすぐに治療を受けなければいけません。潜伏期間が長く症状が発覚しにくい病気なので、注意しましょう。できるだけ内臓を弱らせないよう普段から気を付けるようにしてくださいね。

その他同じ症状が出る病気

倦怠感が症状として現れる病気は、貧血やうつ病などいくつかあります。たとえば貧血は鉄分不足でヘモグロビンが減少してしまうことにより、酸素が行き渡らなくなることで倦怠感が発症。ヘモグロビンが足りず、顔が青白くなります。

うつ病が原因の倦怠感は食欲低下、集中力低下などが同時に起こり、心と体の両方に症状が出てきます。何もやる気が起こらなくなり、どんどん悪化していく負のループにおちいることに。うつ病は悪化してしまうと日常生活に支障が出てくるため、早めに対策しておくのがいいでしょう。

ほかにも糖尿病や更年期障害などいろいろな病気が考えられるので、症状が出たらクリニックへ行くのがベター。「疲れやすい」「体がダルイ」という症状のほかにどのような症状が出ているか、日ごろの生活習慣で気になることはないか、血液検査の数値などをチェックしましょう。

症状が見られたときは?

内臓の機能障害が原因の倦怠感は、治療をすることで改善されます。「体がだるいなあ」と感じたら、ほかの症状が出ていないか確認し、早めにクリニックへ行くのが最善です。もし症状が見られた場合、すぐに治療を受けなければいけません。治療が遅れてしまうとそれだけ病気が重くなり、危険になってきます。

精神的な原因の倦怠感は、問題を解決するのが治療につながります。肉体的な疲労は睡眠をとることで徐々に回復していきますが、精神的な疲労は原因が解決されないかぎり改善しません。うつ病の治療に使われる「自律訓練法」を試したり、十分な睡眠、栄養を摂ったりして積極的に改善していきましょう。

何も問題ない方でも、後々どうなるかはわからないので、こまめに定期検診で異常がないか確かめておいてくださいね。