肝機能の低下が原因?肝臓と口内炎の関わり

Mouth ulcer

肝機能と口内炎

肝機能と口内炎のつながり

一見何の関わりもなく思える肝機能と口内炎ですが、実は意外なつながりが。肝機能の低下による体調不良が、口内炎を引き起こすことがあるのです。そこで、気になる肝機能と口内炎の関係を詳しく調べてみました。ビタミン不足やストレスが原因だと思っていた口内炎は、もしかしたら肝機能の低下によって発症したものかもしれません。正しい知識を身につけて、改善や予防につなげましょう。

肝機能の説明

代謝機能

肝臓の働きである「代謝機能」には、糖質代謝・たんぱく質代謝・脂質代謝があります。これは口から摂取した食べ物のうち、不要なものを体外に排出する働きのことをいいます。

解毒機能

「解毒機能」の働きは、アルコールや薬など、身体にとって有害な物質を体外に排出するというもの。体内で作られるアンモニアも、この機能によって排出されます。

胆汁

肝臓が作り出している「胆汁」は、脂肪やタンパク質の吸収と分解を行っています。代謝や解毒と密に関係しており、身体にとって不要なものを体外に排出する助けとなる機能です。

Relation

肝機能と口内炎の関係

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口内炎を引き起こす原因を見ていきましょう。

肝機能の低下

あまり知られていないのが、肝機能の低下による口内炎の発症です。肝臓には「代謝」「解毒」「貯蔵」「胆汁分泌」といった働きがあります。このうち、解毒機能が低下することでアルコールや薬などといった物質が分解されなくなり、身体の不調を招き、口内炎を発症してしまうことがあるのです。

栄養不足

偏った食事をすることで口内炎になってしまうことがあります。この場合は、ビタミンB群を摂取しましょう。口内粘膜の新陳代謝が正常化されるので、口内炎の改善をサポートしてくれます。また、粘膜を守る働きをするビタミンA、ミネラルを多く含む鉄や亜鉛を積極的に摂取するのもおすすめです。

疲労やストレス

疲労の蓄積により体力が低下してしまった場合でも、口内炎ができてしまうことがあります。体の疲れだけでなく、ストレスが口内炎を引き起こす原因になることも…。「疲れが溜まってしまったら身体を休める」、「ストレスを溜めすぎないように発散できる工夫をする」など、口内炎を未然に防ぐようにしましょう。

口内を噛む

食事をしている際や何かを噛んでいるとき、誤って頬の内側を噛んでしまうことで患部が腫れ、痛みを伴う口内炎ができます。口内のやけども口内炎を発症する要因の1つ。口の中の粘膜を傷つけてしまうと、口内炎の発症につながってしまうのです。

数々ある口内炎の原因の中でも「肝機能の低下」に関しては「知らなかった」、もしくは「あまり気にしていなかった」という方も多いのではないでしょうか。しかし肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれており、自覚症状が出にくいため注意が必要です。口内炎のような、一見軽く見える症状でも、頻繁に発症してしまう時は肝機能の低下による可能性があるため、早めに対策を取るようにしましょう。

 
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口内炎の改善方法

栄養不足やストレスなど、体の不調があると口内炎は発生しやすくなります。肝機能の低下もそのひとつ。その場合は、肝機能を高めることで口内炎も改善されていくでしょう。

食生活の改善

肝臓の機能を高めるには食生活の改善が必要です。暴飲暴食は控え、腹八分目を心がけましょう。食事はゆっくり味わいながら食べることで食べすぎを予防することができます。そのほか、アルコールを飲まない休肝日を作る、寝る直前の食事はしない、できるだけ空腹の時間を作らない、といったことに気を付けると効果的です。
また、脂肪肝の原因になりやすい炭水化物の摂りすぎには注意してください。一方、肝臓の再生や機能を高めるためのタンパク質は重要です。低カロリーの鶏のささみ、納豆や豆腐など大豆製品を積極的に摂るようにしましょう。

サプリメント

栄養バランスの取れた食事は肝機能を高めてくれます。しかし、食事だけですべての栄養素を補うのは簡単ではありません。そこで便利なのがサプリメントです。タウリンやオルニチン、サポニンなど、肝臓の機能を高めてくれる栄養素を手軽に摂取することができます。ただし、サプリメントを分解するのも肝臓です。添加物の多いサプリメントは、肝臓に負担をかけてしまうこともあります。サプリメントは商品によって成分が異なるため、よく比較検討したうえで選びましょう。
 
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口内炎の治療方法

口内炎ができる原因はさまざまです。口の中の傷やウイルス、ビタミン不足も原因になります。ここでは口内炎の一般的な治療方法を紹介します。

軟膏

痛みや腫れがある場合は、軟膏で症状をやわらげることができます。軟膏に含まれるステロイドが炎症を緩和してくれるためです。ただし、口内炎の原因そのものに働きかけるわけではなく、あくまで炎症を抑えているだけなので、根本的な治療とはいえません。薬と同時に原因の解消にも取り組みましょう。軟膏を塗る際は、一度患部の唾液を綿棒などでふき取っておくと塗りやすくなります。

・うがい薬
口内炎の原因は口の中の細菌です。この細菌を減らすにはうがい薬がおすすめです。うがいで口の中を清潔にすることで、口内炎の予防にもなります。20秒間・3セットを目安に行いましょう。

・内服薬
内服薬での治療は、主にトラネキサム酸製剤など抗炎症作用のある薬が用いられます。口内炎の原因がウイルスであれば、抗ウイルス薬が効果的。この場合、症状が悪化してしまうと効果が出にくいため、早めに治療を受けることが必要です。

ビタミンを摂る

ビタミン不足によって、口の中の粘膜が弱ってしまうと炎症が起こりやすくなります。口内炎になったら、ビタミンの中でも特にビタミンB群を意識して摂るようにしましょう。中でも意識したいのがビタミンB1、B2とB6です。

ビタミンB2は代謝に関わるビタミン。1日0.5mg程度(食事からならば0.78mg)のビタミンB2が摂取できていればビタミンB2不足になりにくいと考えられていますが、足りない場合にはサプリメントや食事から補うようにしましょう。

ビタミンB2は、補酵素FMN及びFADとして、エネルギー代謝や物質代謝に関与している。TCA回路、電子伝達系、脂肪酸のβ酸化等のエネルギー代謝に関わっているので、ビタミンB2が欠乏すると、成長抑制を引き起こす。また、欠乏により口内炎、口角炎、舌炎、脂漏性皮膚炎などが起こる。

出典:『水溶性ビタミン - 厚生労働省』
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000067134.pdf

また、ビタミンB1とB6は免疫に関わるビタミンです。ビタミンB6は大腸ガンの予防因子となっている可能性もわかってきていますから、ぜひ積極的に補給してみましょう。ビタミンB群は、B2、B6に限らずまとめて摂取した方が相互作用も期待できるためおすすめです。

睡眠をとる

口内炎の治療には、睡眠不足や過労を解消することも大切です。口内炎治療で薬を使う際にも、きちんと睡眠をとることが治すための近道となります。
ストレスも原因となっていることがある口内炎。睡眠をよくとり、ストレスを緩和するためにたまには自分をいたわってあげることも大切です。

精神的ストレスの緩和、過労や睡眠不足の回避、栄養の補給、規則正しい生活や食事などの日常生活のケアも症状改善につながると考えられている。

出典:『3.耳・鼻・喉の感染症/炎症 《口腔・咽頭・唾液腺》 pp. 122-125 口内炎』耳鼻咽喉科・頭頸部外科,88(5),2016
http://medicalfinder.jp/doi/abs/10.11477/mf.1411200912?journalCode=1411

水分を多めに摂る

唾液の減少などにより口の中が乾燥していると、最近を洗い流して粘膜を保護する機能が低下して、口内炎になりやすくなります。
口の中が乾燥していると感じたら、水分補給をしながら、口の中が乾燥しないように心がけてみましょう。また、歯磨きやうがいなどをして、口の中に雑菌が繁殖しないよう、清潔に保つようにするといいでしょう。

レーザー照射

口の中を清潔に保ち、軟膏や薬での治療をしても治りが悪い場合などには、レーザー照射で口内炎による傷の治りを短縮、痛みを緩和する治療が行われることもあります。口内炎のレーザー治療は、歯科クリニックで受けることができます。興味のある方は、歯科医に相談してみるといいでしょう。

参考:日本耳鼻咽喉科学会『口腔・咽頭の病気』(2018年1月31日確認)
http://www.jibika.or.jp/citizens/daihyouteki2/kuchi_disease.html

参考:国立がん研究センター がん情報サービス『口内炎・口内の乾燥』(2018年1月31日確認)
https://ganjoho.jp/public/support/condition/stomatitis.html

参考:チョコラドットコム『口内炎の原因と治し方』(2018年1月31日確認)
https://www.chocola.com/kounaien/symptom01/

Prevention Improvement

口内炎が頻発するようなら、口を清潔にするとともに
肝臓をいたわりましょう

口内炎の原因はさまざまですが、「口は内臓への入り口」であり、消化器の一部ですので、肝臓に気を配りながら、口内を清潔に保つことが大切です。口内炎に関わる全ての原因に共通して言える一番の対策は「心身共に健康であること」。改善し予防するためには、まずは規則正しい生活をし、栄養バランスを整えながら、ストレスをためないよう努めましょう。

また身体にとって大切なミネラルやビタミン、アミノ酸を積極的に摂ることもおすすめ。口内炎の再発防止だけでなく、健康な心身を維持させやすくなります。

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