γ-GTPと肝機能の関係

Rational symptom

γ-GTPとは

肝臓の状態を把握するためのγ-GTP数値
γ-GTPやγ-GTと呼ばれる肝臓や腎臓などで作られる酵素です。タンパク質の合成や分解、解毒作用に深く関係しています。細胞の自己防衛に関与する物質のグルタチオンを変換・分解する働きがあり、グルタチオンの量をコントロールする、ほぼ唯一の酵素です。

γ-GTPとはどんなもの?

γ-GTP(ガンマジーティーピー, γ-GTということもある)とは、体内のたんぱく質を分解する酵素です。肝機能を測る一つの指標として用いられることが多く、飲酒量が多い方や、肝機能系に疾患がある方は数値が高くなります。

γ-GTPの基準値

男性 0~50IU/L

女性 0~30 IU/L

健康診断で行われる血液検査では、γ-GTPの基準値は男性で「50 IU/L以下」、女性で「30 IU/L以下」とされています。γ-GTPが基準値よりも多い場合には、何らかの肝機能の障害や病気が疑われます。

肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ、病気になっても自覚症状が出にくい場所です。そのため健康診断でγ-GTPを測定し異変を見つけることは、肝臓の異変を早期発見するためにも大切です。

※女性ホルモンの影響で、男性と比べると女性のほうが低い値となっています。

参考-「総ビリルビンが高い・下げる方法・改善策情報」

http://www.reasons2live.net/ketuekikensakoumoku/%CE%B3-GTPtoha.html

γ-GTPは肝臓の健康を診断する一つの指標

体の胆道という部分から分泌されるγ-GTPは、肝臓がアルコールなどを分解するための解毒作用に大きく関わっています。γ-GTPが多く分泌されている方は、お酒を多く飲む方によく見られると研究からわかっています。そのため、アルコール性の肝機能障害や肝硬変、慢性肝炎などを見つけるために健康診断では、血液検査8項目として、肝機能をはかる指標にγ-GTPが用いられています。

γ-GTPは、肝臓や胆道に異常があると血液中の数値が上昇します。数値が高い場合はアルコール性肝障害、慢性肝炎、胆汁うっ滞、薬剤性肝障害が疑われます。

参考- 日本人間ドック学会|検査表の見かた

http://www.ningen-dock.jp/public/method#blood

γ-GTPで考えられる病気

γ-GTPのみ高い場合

  • 胆嚢疾患(胆嚢結石や胆管炎など)
  • 原発性胆汁性肝硬変(PBC)
  • 急性ウイルス肝炎
  • アルコール性肝障害
  • 肝炎
  • 薬剤性肝炎
  • 慢性肝炎
  • うっ血肝障害
  • 脂肪肝
  • 肝硬変
  • 肝臓がん
  • 肝膿瘍
  • 膵臓疾患

お酒をたくさん飲む方など、肝臓に負担がかかる生活をしている方の場合、肝機能が低下し、γ-GTPの値が高くなりがちです。

肝硬変は、脂肪肝や慢性肝炎などで肝臓に傷ができ、その傷を治すために生じるコラーゲンが増加して、肝臓全体が硬くなってしまう病気です。肝硬変をそのままにしていると、食道や胃の静脈瘤や肝性脳症、腹水などが発生じ、場合によっては命に関わる重篤な状態を引き起こすことも。

これを避けるためにも、γ-GTPが高い時はすぐに病院の内科や消化器科などを受診して、詳しく検査してもらいましょう。

γ-GTPもAST(GOT)も高い場合

  • 肝硬変
  • 肝臓がん
  • アルコール性肝炎
  • 心筋梗塞

γ-GTP数値別危険度チェック

γ-GTPの基準値はわかったけれど、どの位の数値で、リスクはどの程度なのかは気になるところですよね。 もしも「γ-GTPが200 IU/L以上」の場合、なんらかの肝臓の病気を発症しているリスクが大きいです。そのため精密検査が必要です。「γ-GTPが100から199IU/L」なら、肝臓の細胞が壊れ始めているサインです。肝硬変の一歩手前、脂肪肝になっている可能性があります。脂肪肝から肝硬変になってしまえば、肝臓は元に戻りません。放置していると肝がんや脳梗塞などを引き起こす原因になるので、今すぐ生活改善が必要です。「γ-GTPが50〜99 IU/L」なら、まずは飲酒習慣の見直しを。γ-GTPは禁酒によって有意に低下することがわかっています。

高値の原因

健康診断で数値が高いと原因が気になってしまいますよね。ここでは、γ-GTPの数値が高くなる原因と考えられることを紹介しますので、参考にしてみてください。

アルコールの過剰摂取

アルコールをたくさん摂取すると、体はアルコールを分解しようとγ-GTPをたくさん作り出します。長期的に大量のお酒を飲む習慣がある方は、総じてγ-GTPが高い傾向にあると言われています。γ-GTPが高くなる原因として一番多いのが飲酒です。アルコールを許容範囲以上に摂取してしまうと、γ-GTPの数値が上昇します。アルコールの摂取を制限することで、数値をコントロール可能。また、肝機能をサポートする成分の入ったサプリメントを摂取することでも、改善が図れます。

胆汁うっ滞

胆汁うっ滞とは、肝細胞で作られて十二指腸に排出される胆汁が正常に排出されず、血液中に漏れ出している状態です。肝炎や肝障害、肝硬変など肝臓に問題がある場合と、胆管内の結石や胆管癌などが原因の場合があります。いずれにせよγ-GTPが高く、胆汁うっ滞が疑われる場合には、超音波検査やCT検査など詳しい検査が必要です。

肝臓の腫れによる胆汁の流れの障害

何らかの原因で肝臓が腫れることで、γ-GTPの数値が上昇。「原発性胆汁性肝硬変」「ウイルス性肝炎の急性及び慢性期」「肝脂肪」などが原因として挙げられます。肝臓には痛覚が存在しないため、自覚しにくく、病気の発見が遅れがち。定期的な検査を受けることが大切です。

服薬による副作用

向精神薬やステロイドなどの副作用によって、γ-GTPの数値が上昇することも。検査で異常が出た場合は、処方されている薬を確認し、主治医へ相談することをおすすめします。

γ-GTPを上げないために気を付けること

それでは、健康診断で「γ-GTPが高い」という結果が出てしまったらどうすればいいのでしょうか?

禁酒・節酒

アルコール性肝障害でγ-GTPの値が高い場合、禁酒をすることで有意に数値を下げられることがわかっています。
まずは普段の飲酒量を見直して、休肝日を作る、お酒の量を減らすなどしましょう。

運動

健康な男性を対象にした研究によれば、日常的に毎日運動している人は、そうでない人に比べてγ-GTPの値が低いことがわかっています。この研究からわかるのは、運動がγ-GTPの数値を下げることに一定の効果があるということ。健康診断でγ-GTPが高かった人は、少しでもいいので運動習慣を取り入れるようにしましょう。

γ-GTPを下げるための方法

アルコールを断つ

γ-GTPが高くなる最大の原因が飲酒です。アルコールは、アセトアルデヒドという体にとって猛毒な成分に変化して肝臓を攻撃します。その結果、肝機能が弱まりγ-GTPが上昇。アルコールが原因であれば、禁酒がγ-GTPを下げる最も効果のある取り組みの1つです。ただし、仕事上の付き合いもあるでしょうし、禁酒することによってストレスが増えては、元も子もありません。お酒を控えながら食習慣を改善したり、サプリメントを摂取したりなど、上手にお酒と付き合っていくのもポイントです。

食事で改善する

食事で改善する場合は、肝臓の働きを助けてくれる成分入りの食品を積極的に摂る必要があります。γ-GTPを下げる働きのある「オルニチン」や「タウリン」、「亜鉛」などがあります。成分を豊富に含んだ「タコ」「カキ」「しじみ」などがおすすめ。ただし、1日に必要な摂取量400mg~1,000mgを摂ろうとすると、かなりの量を食べなければなりません。たとえば「しじみ」で1日に必要な量を摂ろうとすると、4,000円以上になってしまうことも。しかも、毎日継続的に摂る必要があるため、お財布にやさしくありません。

運動を継続的にする

γ-GTPを下げる方法として、運動も効果的です。特にお酒が好きな人はメタボリックシンドロームや肥満の傾向になりやすく、脂肪肝になっているケースがみられます。運動をして脂肪を燃焼させれば、脂肪肝の改善や予防にもなるでしょう。
1駅分歩いたり階段を使って移動したり、日常生活の中に運動を取り入れると効率的です。γ-GTP上昇だけでなく、生活習慣病の予防にもなるので、さまざま病気になるリスクを下げてくれます。

サプリメントを摂る

「しじみ」や「カキ」などに含まれる「オルニチン」や「タウリン」、「亜鉛」の有効成分の入ったサプリメントもγ-GTPを下げるのにおすすめです。毎日の食事で、1日に必要な成分を摂取するのは至難の業。食生活の補助として、サプリメントを賢く活用しましょう。手軽に有効成分を摂取できるので、継続しやすい改善法です。

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