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Stiff houlder肝機能と肩こり

肝機能の低下で肩こりが起こるのはなぜか

肝機能の低下によって肩こりが起こることがあります。ここでは、肝臓の役割や肝臓と肩こりの関係などについてまとめています。マッサージをしても取れない肩こりは、もしかしたら肝臓からのSOSかもしれません。

肝機能の説明

代謝機能

「代謝」とは、体に必要なエネルギーや栄養素を使いやすいように分解したり合成したりすることを言います。肝臓が担っているのは「糖代謝」「たんぱく質代謝」「脂質代謝」の3つ。どれも私たちが生きていくのに欠かせない機能です。肝機能が低下して代謝が落ちると、筋肉を動かすのに必要なエネルギーの生産量が落ち、筋肉の動きが低下。すると、筋肉が固まり私たちは「こり」を感じます。肝臓の代謝機能が弱まることと、筋肉自体の機能が落ちることで、体がだるくなったり肩こりが起こってしまったりするのです。

解毒機能

肝臓は体内に入ってきたさまざま物質を毒性の少ないものに変えて、尿や胆汁の中に排出。肝臓ではいろいろな化学反応が起きており、健康な肝臓ではこれらが休むことなく行われます。しかし、肝機能が低下すると、体に入ってきた物質や毒素を排出することが困難に。特に気を付けたいのはアンモニア。人体にとって有害な物質なので、体にため込んでしまうと脳にダメージを与える可能性もあるのです。そして、症状として肩や肩甲骨のこりが出ることがあります。肩こりが気になったら肝機能の低下を疑ってみましょう。早めの対処で、重篤な症状を引き起こさなくて済むかもしれません。

胆汁

胆汁は肝臓で作られる液体。胆汁は消化酵素を活性化させ、脂肪を水に溶けやすくする働きを持っています。肝臓で作られた胆汁は胆管を通って十二指腸へ運ばれるのですが、何らかの原因で胆管が詰まってしまうことがあるのです。肝臓から排出された毒素も胆汁に含まれているので、胆汁がスムーズに流れていかないと肝機能も低下し、SOSとして肩こりが起こることがあります。放っておくと炎症や敗血症、肝硬変などを引き起こすこともあるので、注意が必要です。

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肝機能と肩こりの関係

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右肩や右肩甲骨のこりは肝臓が原因かも

右側の大胸筋は肝臓や胆のうと神経が繋がっています。肝臓の機能が低下して何かトラブルが起きたとき、そのトラブル信号が大胸筋に負担をかけます。それが肩こりとして表れていると言われているのです。右側だけの肩こりの場合、肝臓からSOS信号が出ているかもしれません。

単なる肩こりと肝臓が原因の肩こりの違い・見分け方

筋肉の疲れからくる肩こりと見分けるには、その解消法を試してみることです。一般的な肩こりの解消法であるマッサージや温熱療法などをためして改善されるのであれば、筋肉の疲労からくる肩こりでしょう。右肩だけに症状が出ていて、一般的な解消法を試しても改善されなかったり、すぐぶり返してしまったりする場合は肝臓に問題が起きているかもしれません。痛みが強くなったり右腕が上がらなくなって来たりした場合は、早めに病院で診てもらってください。

肝臓が疲れると体も疲れる

肝臓を含む内臓が疲れた状態になると、体を守ろうとして、内臓を抱え込むように丸くなります。内臓の疲れが取れない限り、無意識のうちに体を丸めてしまうのです。そうなると、筋肉は硬くなり肩こりもひどくなっていきます。意識的に肝臓・内臓ケアをしていきましょう。
 
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肝機能が原因の肩こりの改善方法

 

ストレッチや運動をしているのに肩こりがよくならない、という場合は、もしかしたら肝臓が原因かもしれません。肝臓から起こる肩こりの改善方法をご紹介します。

睡眠時間を増やす

眠っている時間は肝臓も休憩します。そのため、睡眠時間を増やすことで、弱まった肝機能を回復させることが可能です。睡眠不足の状態では、肝臓も栄養を補給して疲れを回復させる時間がなくなってしまうため、睡眠時間を増やすようにしましょう。今より1時間長く眠るだけでも肝臓の負担は軽減されるはずです。また、寝る前に食事をすると、肝臓は寝ている間も働き続けることになるため、ベッドに入る2~3時間前までには食事を終わらせておきましょう。

食事や飲み物に気をつける

肝臓への負担を軽くするには、糖質を摂りすぎないことが必要です。糖質を分解するとき、肝臓は大きなエネルギーを必要とします。ご飯やパン、麺類などの炭水化物は普段の8割程度に抑えましょう。また、ジュースやお菓子などの糖分が多い飲み物は避け、代わりに水を飲むようにするのもおすすめです。
また、よく知られていることですが、アルコールの飲みすぎも肝臓にはよくありません。肝臓がアルコールを分解する際にダメージを受けやすいため、適量でやめておく、休肝日をつくるなど、ペースを守って飲むようにしましょう。
 
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肩こりの治療方法

 

肩こりは病気ではないので我慢するしかない、と思っている方もいるでしょう。肩こりを治すために、病院や自宅でできる治療方法を紹介します。

病院での治療

ストレッチやマッサージでは症状が改善しない場合、病院で診察を受けてみましょう。肩こり外来がある病院か、整形外科などで診察してもらえます。まずはレントゲンなどの検査で、頚椎や椎間板に異常が見られないかを確認して、症状に応じて内服薬・外用薬が処方されます。電気や光で血流を改善したり、筋肉の緊張をほぐしたりといった対症療法とあわせて、完治に向けて日常生活の運動指導なども受けることが可能です。

日常生活でできる治療

日常生活のなかではストレッチを取り入れましょう。特に肩甲骨周りをほぐすのが効果的です。肩甲骨を寄せる、広げる、といった動きをこまめに行ってください。肩をまわす、上下に動かすといった動きや、首をまわして首周りの筋肉をほぐすことも、肩こり解消につながります。加えて、体全体を動かすことも大事です。ジョギングやウォーキング、水泳など、定期的に運動をする習慣をつけるようにしましょう。血行が促進されて肩こりが改善されるうえ、ストレスの解消にもつながります。
 
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肝臓を健康にすることは肩こりにもよい

肝臓の健康を取り戻すことで肩こりを解消できるだけでなく、全身が生き生きとしてくることでしょう。生活習慣や食生活の見直し、適度な運動などを心掛けてみてくださいね。

ストレスを溜めないことも大事なので、無理のない範囲で実践してみてください。食事をする時にちょっとだけ量を減らしてみたり、通勤の時に1駅分だけ歩いてみたりと、取り組みやすいところから始めていきましょう。