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メチオニン

メチオニンで肝機能を高める

メチオニンは、必須アミノ酸の一種で、体内に入ると、美肌効果のあるシステインに変わります。肝臓と深い関わりがあり、メチオニンが不足すると、様々な症状が現れるといいます。メチオニンには、どのような特徴や効果があるのでしょうか。注意したい点も含めてみていきましょう。

メチオニンとは

必須アミノ酸のひとつであるメチオニンは、日々の食事から体内に取り入れなければならない栄養素です。肝機能を高めたり、アレルギーの原因であるヒスタミンを抑えたりする働きがあります。メチオニンが不足すると利尿機能が低下し、むくみやすくなることも。メチオニンが多く含まれる食品は、鶏肉や牛肉、羊肉、マグロやカツオ、牛乳やチーズ、豆腐、納豆、ナッツなどです。

メチオニンは肝臓の働きである毒素の分解や老廃物の排除、代謝を促進するため、肝機能を高めてくれます。うつ状態などメンタルヘルス改善にも役立つでしょう。さらに、育毛や発毛などにも影響を与える成分でもあるのです。

さまざまな働きがあるメチオニンですが、アルコールを過剰に摂取すると肝臓で大量に消費されてしまいます。メチオニンが不足すると、老廃物が排出されず、むくみの原因になることも。ただし、肝機能障害を起こしている場合、メチオニンを過剰に摂取してしまうと症状が悪化する危険性もあります。心配な場合は、あらかじめ医師に相談しましょう。

Foods

メチオニンが多い食品

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    魚類

    きはだ、ひらめ、カツオなどの魚類は、メチオニンが豊富です。もっとも含有量が多いのは、カツオ節・削り節2,200mg、しらす干し1,100mg(いずれも100g中)。

     
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    大豆食品

    豆腐やきな粉、納豆など、大豆の加工食品には、メチオニンが含まれています。一番多いのは、凍り豆腐780mg、ついで干し湯葉740mg(いずれも100g中)。

     
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    その他の豆類・果実

    わずかですが、大豆以外の豆・果実にも、メチオニンが含まれています。あずき(あんこ)380mg、乾燥ゴマ720mg、カシューナッツ420mg(いずれも100g中)。

     
 
効果

メチオニンの効果

肝機能の効果を高めるメチオニン

メチオニンは、肝機能の効果を高めてアレルギーの原因となるヒスタミンを抑えます。必須アミノ酸の一つであるメチオニンは体内で生成されない成分のため、摂取するには食事しかありません。メチオニンが多く含まれているのは、鶏肉・牛肉・羊肉などの肉類やマグロ・カツオなどの魚介類。牛乳やチーズなどの乳製品や豆腐・納豆・ナッツなどの豆類にも含まれています。

Check!

肝臓に溜まった老廃物や毒素を排出して代謝を促進

メチオニンには、肝臓に溜まった老廃物や毒素を体外に排出して代謝を促進する効果があります。代謝がよくなると血中のコレステロールを燃焼して、肝臓への脂肪の蓄積を防いでくれるのです。また、水に溶けにくいために体外に排出しにくい脂肪を、溶けやすい形に変える「乳化」を行います。乳化することで脂肪やアルコールの過剰摂取が原因で起こる脂肪肝を防ぎ、肝硬変や動脈硬化の発症リスクを抑えることにもつながるのです。

アレルギーを引き起こすヒスタミンを抑制

メチオニンはアレルギー症状を抑制する働きを持っています。アレルギーは、免疫細胞が外部からの刺激に対する過剰反応により発生。このときに免疫細胞から放出されているのがヒスタミンです。メチオニンを摂取すると、血液中のヒスタミン濃度を抑えてアレルギー症状を抑制することができます。

脳に関連する症状を改善・予防

うつ病の改善に効果のある神経伝達物質であるセロトニン・ノルアドレナリン・ドーパミンの材料になるのがメチオニン。摂取をすると、記憶力の向上や認知症の予防、改善に効果があると言われています。さらに、細胞の老化を防いだり、免疫力を高める効果も。肝機能だけでなく、脳の活性化にも効果を発揮します。

運動に必要なエネルギー源に

メチオニンには抗酸化ミネラルであるセレンを運搬する役割があり、体内の抗酸化作用を高める働きを持っています。加齢とともに体力が衰えるのは、運動に必要なエネルギー源となる、アミノ酸の一種であるクレアチンの減少が原因。メチオニンがクレアチンを生成する材料になることから、老化を抑制する役割を持っていると考えられています。

アンチエイジングの効果

肝機能を高める効果や、アレルギー症状を緩和する効果などがあるとされるメチオニンは、アンチエイジングにも有効といわれています。メチオニンには、細胞の老化を防止し、免疫力を高める働きがあるのです。メチオニンは、抗酸化ミネラルであるセレンを運ぶ役割があり、抗酸化作用を高めてくれます。活性酸素を抑制することで、細胞の老化を食い止めてくれるのです。メチオニンにはクレアチンの生成をサポートし、体内エネルギーの産出を助ける作用もあります。クレアチンの不足は老化につながるため、メチオニンを摂取することで老化を抑えることができるでしょう。薄毛や抜け毛対策にも効果があるといわれています。

・遊離メチオニン補給は、ラットにおけるアルコール誘発肝臓障害を制限する。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9581640

 

メチオニンはどんな人におすすめ?

メチオニンがおすすめなのは、肝機能が低下している人です。メチオニンには肝機能を高める働きがあります。お酒が好きで毎日のように適量以上を飲んでいる人にはぜひ摂ってほしい成分です。肝機能の低下はアルコールの過剰摂取だけでなく、食べ過ぎやストレス、睡眠不足、不規則な生活習慣といったことも原因になります。そういった要因に心当たりのある人は、メチオニンを意識して摂取しましょう。

アレルギー症状で悩んでいる人にもおすすめです。メチオニンは血液中のヒスタミン濃度を抑制してくれます。うつ症状にも効果が期待できるメチオニン。認知症を予防したい人、脳を活性化したい人にも向いているでしょう。また、メチオニンには代謝機能を高める働きもあります。ダイエットをしたい人、デトックス効果を上げたい人、さらにアンチエイジングをしたい人は、メチオニンの摂取を心がけると良いでしょう。

Attention

メチオニンを摂取する際の注意点

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    POINT1過剰摂取でめまい、吐き気の副作用あり

    メチオニンの1日の摂取量の目安は、体重1kgに対して13mgです。体重50kgの女性でしたら、650mgになります。食事で取る場合は問題ありませんが、サプリメントや健康食品は要注意。1,500mgを超えると、吐き気や腹痛、めまい、低血圧などの副作用が起きる可能性があります。サプリメントの効果はすぐには現れません。少量でも毎日飲み続けることが大切です。

     
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    POINT2肝機能が低下している時の摂取はNG

    肝機能の極端な低下や、肝臓病がある人が、メチオニンを服用すると、かえって肝臓に負担がかかります。メチオニンを摂取すると、体内(腸)で毒をつくり肝臓に取り込まれ、健康な状態であれば肝臓で解毒して体外に排出できます。ところが肝機能が弱っていると、解毒ができず、かえって症状を悪化させることになるので、メチオニンの摂取を避けましょう。

     
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    POINT3過剰摂取で動脈硬化を引き起こす

    メチオニンは、体内に入るとシステインに変化し、その過程でホモシステインという物質を生成。血中のホモシステイン値が高いと動脈硬化を引き起こすことが分かっています。また、統合失調症の人が過剰摂取すると、混乱やせん妄などの意識障害が起きる場合もあるとされているので、いずれも過剰摂取には気を付けましょう。