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タウリン

肝臓の強化と細胞の再生に貢献するタウリン

タウリンは、アミノ酸の一種で、全身の臓器や器官の中に存在する、重要な栄養素です。不足すると肝機能が低下するといわれますが、タウリンにはどのような効果があるのでしょうか。タウリンの特徴や効果、摂取するときの注意などを見ていきましょう。

タウリンとは

飲み過ぎに効くといわれているタウリンですが、タウリンとはどのような成分なのでしょうか。タウリンはアミノ酸のひとつで、もともと体内に多く含まれています。体内で生成することもできますが、それだけでは不足するため、食品など外部から摂取しなければなりません。タウリンは貝類やイカ、タコのほか、魚の赤黒い部分(血合い)に多く含まれています。特に牡蠣やハマグリなどに多く含まれていることはよく知られているでしょう。

タウリンは肝臓を元気にしてくれる働きがあります。タウリンが二日酔いに良いといわれるのは、アルコールを分解する際に必要とされる酵素のサポートをし、肝臓の分解作用を手伝ってくれるため。アルコールを素早く分解することで、二日酔いを防ぐというわけです。

また、肝臓で作られる胆汁の成分である胆汁酸には、コレステロールの分泌を促す働きがあります。タウリンを摂取することで、コレステロールの消費を促し、コレステロールを減らしてくれるのです。弱った肝細胞の再生を助けたり、肝臓に蓄積した中性脂肪を体外へ追い出したりといった効果も持つタウリン。肝機能を高め、脂肪肝を改善する作用も期待できます。

ダイエットにも効果的といわれていますが、タウリンが含まれる食品にはコレステロールが高いものが多いため、食べ過ぎには注意しましょう。

Foods

タウリンが多い食品

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    タコやイカなどの魚類

    タウリンの含有量はタコが最も多く、100gあたり900~1,600mg、次いでヤリイカが700mgです。

     
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    カキやホタテなどの貝類

    サザエは100gあたり1,500mg、ホタテが、670~1,000mg、カキには、70~1,180mg含まれています。

     
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    エビなどの甲殻類

    甲殻類にも、タウリンが多く、クルマエビで100gあたり210mg、大正エビが215mgの含有量です。

     
 
効果

タウリンの効果

肝機能の強化や動脈硬化の予防に働きかける

胆汁の分泌を促進することで、肝機能の強化やコレステロール値を下げる効果があるタウリン。体の状態を維持する、ホメオスタシス(恒常性維持)という重要な役割を持った栄養素です。主に肝臓に働きかける作用があり、弱った肝細胞を修復して肝臓を再生。さらに肝臓の代謝を高めるので、デトックスの効果も期待できます。アルコールや薬、食品添加物などに含まれる化学物質やアンモニアを分解することで無毒化し、肝臓の負担を軽減。毒素を尿や便と共に体外へ排出する働きを助けます。肝臓に溜まった中性脂肪を取り除く効果もあり、脂肪肝を改善血管に悪さをするコレステロール値を抑え、全身疲労のむくみを解消し、動脈硬化の予防にも期待できるでしょう。

Check!

動物を使った実験でも、脂質を抑える効果が認められています。高脂肪・コレステロールの飼料を与え続け、非アルコール性脂肪肝にしたハムスターを用意。タウリンの入っている水と入っていない水を投与したところ、タウリンの入った水を与えたハムスターは血液中の脂質が改善されたということです。

それだけではなく、タウリンには交感神経を抑制する作用もあるため、高血圧の予防にも効果的です。また、目の代謝を促進する働きもあり、角膜の修復を助ける作用もあるといわれています。

タウリンを多く含む食品として、「カキ」「イカ」「タコ」などの魚介類などが挙げられます。それらの食品を積極的に食べることで、タウリンを効率的に摂取可能です。

とはいえ、毎日必要量を摂取するのは現実的ではありません。そんなときにおすすめなのは、タウリンを含んだサプリメント。ただし、魚介類アレルギーをお持ちの方は、サプリメントにアレルギー成分が含まれていることもあるので注意が必要です。そういった方は、タウリンと同じ肝機能向上に期待できるアミノ酸のサプリメントを摂取すると◎。自分に合ったサプリメントを摂ることで、健康的な生活を過ごしましょう。

・高脂肪・コレステロールの飼料によって誘発される肝脂肪症に対するタウリンの予防効果

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21126079

 

タウリンはどんな人におすすめ?

タウリンがおすすめなのは、肝機能が低下している人や、コレステロール値が高い人です。コレステロール値が高いと動脈硬化につながりやすいため、動脈硬化が気になる人、血流が悪い人にもおすすめといえます。血糖値が高い人もタウリンを摂取すると良いでしょう。

肝機能が低下している人は、アルコールの過剰摂取や食べ過ぎの生活習慣があるもの。さらに、疲労が蓄積している、ストレスが溜まっているといった状態であることが多いです。そのような状態は肝臓に負担をかけてしまいます。食生活においても、お肉中心で野菜を食べない人や、夜遅く食事することが多い人は要注意。それに加えて運動をほとんどしない人はコレステロール値も高くなり、脂肪肝などのリスクも高まるのです。生活習慣を改めながら、日々の食事にタウリンを摂り入れると良いでしょう。

タウリンは目の網膜にも存在しており、タウリンを摂取することで、目の新陳代謝を促し、角膜の修復にも役立ちます。目の機能を高めたい人も、タウリンを摂取すると良いでしょう。さらに、むくみ改善、便秘の解消をしたい人にもおすすめです。

Attention

タウリンを摂取する際の注意点

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    POINT1栄養ドリンクでカフェイン・糖分の過剰摂取

    タウリンそのものには、副作用がありませんが、栄養ドリンクに含まれている場合は、注意が必要です。栄養ドリンクに、カフェインや糖分が含まれている場合、それらを過剰摂取すると、副作用が現れる場合があります。なるべく栄養ドリンクからの摂取は避けましょう。食事から補うのが難しければ、サプリメントを採り入れると効果的です。

     
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    POINT2魚介類アレルギーのある人は要注意

    タウリンはタコやイカ、カキなどの、魚介類に含まれる成分です。これらの食材に対して、アレルギーをお持ちの方は、要注意です。サプリメントや健康食品に配合しているタウリンが、これらの食材から抽出している場合、アレルギーを引き起こす恐れがあります。魚介類に対するアレルギーがあるかたは、タウリンの摂取を控えた方がいいでしょう。

     
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    POINT3過剰摂取はNG。毎日摂取し続けるのがコツ

    タウリンの摂取量の目安は500~700mg/日です。疲労回復効果が高いからといって、栄養ドリンクを2~3本まとめて飲むのはNG。過剰摂取になり、吐き気や下痢を起こす場合があります。疲労回復には、500mgあれば十分。一度に摂ろうとせずに、毎日続けることが大切です。