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クルクミン

二日酔いに効く!クルクミンのミニ知識

クルクミンはウコンに含まれる色素成分。カレーのスパイスであるターメリックや、たくあんの色素としても使われていますが、どのような効果があるのでしょうか。クルクミンの特徴や、摂取するときに注意することなど、クルクミンについてまるごと紹介します。

クルクミンとは

クルクミンは、ウコンに含まれる黄色の色素成分で、天然ポリフェノールの一種です。二日酔いにはウコンといわれるように、肝臓の解毒作用を助けて、胆汁の分泌を促す働きがあります。抗酸化作用や抗炎症作用、抗がん作用、成長作用などもあり、インドでは、肝臓や胃の強壮剤としてクルクミンを服用しているそうです。

ウコンというと、二日酔い予防というイメージがあるのではないでしょうか。ウコンは「ターメリック」とも呼ばれ、カレーなどのスパイスによく用いられます。黄色が特徴的ですが、その黄色はクルクミンの色。鮮やかな黄色は、古くから食用色素として、漬け物や栗のシロップ漬け、和菓子などに利用されてきました。クルクミンは肝機能を整える働きがあるといわれている成分で、ダイエットにも有効とされています。

ウコンの種類は約50種類ともいわれていますが、日本で主に知られているのが、秋ウコン、春ウコン、紫ウコン、黒ウコンです。

・秋ウコン
日本で最も多く出回っているのは、秋ウコン。秋に花を咲かせ、クルクミンが多く含まれている種類です。肝機能を高め、二日酔いの予防や動脈硬化の予防にも役立ちます。

・春ウコン
春ウコンの特徴はシネオール、アズレン、カンファーといった精油成分が多く含まれていることです。胃の健康や高血圧の防止、コレステロールを減らすといった効果が期待できます。

・紫ウコン
紫ウコンにはクルクミンがほとんど含まれていません。生薬として使用され、便秘の解消やダイエットにも効果的といわれています。

・黒ウコン
黒ウコンにはアントシアニンというポリフェノールが非常に多く含まれています。その量はブルーベリーの約3倍といわれ、眼精疲労の回復やダイエットに効果的です。

Foods

クルクミンが多い食品

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    ウコン

    ウコンには、クルクミンが2~5%含まれています。ウコンの仲間は世界中で50種類ほどあり、中でも秋ウコンはクルクミンを多く含んでいます。

     
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    カレー

    カレーは複数のスパイスをミックスしたもの。代表的なスパイスの一つがターメリック(ウコン)です。

     
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    たくあん

    たくあんといえば黄色いお漬物。漬けるときに使用する着色料がクルクミンです。

     
 
効果

クルクミンの効果

肝臓の働きを向上させるクルクミン

クルクミンには、肝機能を向上させる効果があります。クルクミンが体内に入ると、肝臓の解毒機能を高めるだけでなく胆汁の分泌を促す作用が働くため、肝臓の機能が向上するのです。

肝臓は人間の体内で重要な働きを担っている臓器。肝臓には解毒作用があり、体内で発生する有害物質を解毒してくれます。体内で作用する物質をなんと3000種類も生成。そのうち、代表的な役割を果たすのが胆汁です。

Check!

コレステロールを分解してエネルギーへ

肝臓が作り出す胆汁には、コレステロールを分解してエネルギーに変える役割があります。胆汁に含まれる胆汁酸はコレステロールから生成。クルクミンによって胆汁の分泌が促されると、その分多くのコレステロールを必要とします。その結果、コレステロール値が下がると言われているのです。胆汁は肝臓から分泌される消化液で、分泌される量は毎日500ml以上。水と油の両方に馴染む性質があり、胃液や腸液など、通常の消化に使用される消化液では溶けにくい脂質を吸収します。十二指腸で膵液(すいえき)と混ざることで、たんぱく質と脂質を消化する手助けをするのです。

アルコールの分解を促進

クルクミンのもう一つの効果はアルコールの解毒促進。悪酔いや二日酔いの原因は、過剰に摂取したアルコールを分解する過程で生じるアセトアルデヒドによるものです。クルクミンを摂取して胆汁の分泌が促進されると、アセトアルデヒドの代謝も促進されます。そのため、悪酔いや二日酔いの予防に効果的なのです。飲酒の前後にクルクミンを含んだ食品やサプリの摂取をおすすめします。

活性酸素の増加を抑制して美肌を保持

クルクミンには抗酸化作用があり、活性酸素を抑制して美肌を保つ効果が期待できます。美肌の大敵は活性酸素。活性酸素が増加すると肌細胞に影響を及ぼし、肌のシミやくすみ、シワを生成すると考えられています。シミやくすみはメラニン色素が原因ですが、その生成を助けているのが活性酸素。肌のハリを保つのに効果的なヒアルロン酸やコラーゲンなどの減少も、活性酸素が原因でシワができるのです。クルクミンの強い抗酸化作用で活性酸素の増加を抑え、肌の構成成分を保持して美肌を維持する効果が得られると考えられています。

クルクミンを使った実験で肝機能の向上が明らかに

肝機能に対するクルクミンの効果を調べたマウス実験では、クルクミンが肝機能を向上させることが分かりました。実験では、マウスに対して強い毒性を持つダイオキシンを投与して、肝機能の障害をクルクミンがどの程度抑えるかを調査。ダイオキシンにより肝機能が低下したマウスにクルクミンを投与すると、肝機能が正常に戻って生存率が上がったことが分かりました。

・長期のクルクミン投与は、リポタンパク質コレステロール代謝の肝臓調節を介してアテローム性動脈硬化症から保護する。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22058071

・ラットの肝臓における2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ダイオキシン誘発酸化ストレスに対するクルクミン、β-ミルセンおよび1,8-シネオールの抗酸化効果

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21245202

 

クルクミンはどんな人におすすめ?

ウコンに含まれるクルクミン。インドが発祥とされているウコンは、南アジアを中心にアジア、アフリカ、中南米、亜熱帯にかけて自生している成分です。日本に輸入されたのは平安時代といわれ、中でも秋ウコンと春ウコンは肝機能の改善に効果的といわれています。

クルクミンは胆汁の分泌を促進する働きがあります。胆汁とは、肝臓で生成され、肝臓の機能を高める役割を持つ液体です。アルコールをよく飲む人はクルクミンを定期的に摂取すると良いでしょう。クルクミンは肝機能を強化・修復し、アルコール性疾患などを予防する働きが期待できます。飲酒前にクルクミンを摂取すると、二日酔い対策になります。

また、美肌になりたいという人にもおすすめです。クルクミンは色素沈着やコラーゲンの分解を防ぐ働きがあります。継続的にクルクミンを摂取すると、肌の水分量が保たれ、シワや乾燥などの肌トラブルを改善することが可能です。シミ予防をしたい、肌が乾燥しやすいといった人は、クルクミンを積極的に摂取すると良いでしょう。

Attention

クルクミンを摂取する際の注意点

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    POINT1発がん性の危険あり!大量摂取は避けて

    カレーを常用しているインドでは、消化器官のがん発生率が低く、クルクミンには、がんの抑制効果が高いとされています。しかし大量に摂取すると発がん性を高めるという報告もあります。WHO(世界保健機関)の1日の推奨摂取量は0.15g(150mg)。食事で摂取する場合は心配ありませんが、サプリメントの中には、安全基準を上回るものもあるので要注意。

     
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    POINT2油や豆類と一緒に摂取して吸収率アップ

    クルクミンは水に溶けにくく、油に馴染みやすい性質があります。効果的に摂取する方法は、油と一緒に調理すること。炒め物や揚げ物など、油を使って調理すると、吸収率が高まります。大豆やひよこ豆のような、レシチンという成分が豊富に含まれている豆類と一緒に食べると、乳化が起きて小腸から吸収されやすくなります。

     
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    POINT3肝機能障害があると症状を悪化させる

    クルクミンには、ミネラル分が豊富に含まれています。クルクミンを大量に摂取するとミネラルの影響で肝臓に鉄分がたまって、症状を悪化させます。C型肝炎や非アルコール性脂肪性肝炎などの肝機能障害がある人は、要注意。妊娠中・授乳中、抗凝固剤を服用、胆石・胆汁管障害・糖尿病などを患っている場合も病状に影響を与えます。