クエン酸パワーで肝臓を元気にする
クエン酸は柑橘類やお酢、梅干しなどに含まれている酸味成分です。昔から「疲労回復には梅干し」と言われていますが、どのような健康効果があるのでしょうか。その特徴や、様々な健康効果、摂取する際の注意事項など、クエン酸について詳しくみていきましょう。
クエン酸はお酢や、レモンなどの柑橘類に含まれている酸味成分です。人間の体内には、食物をエネルギーに変換する回路「クエン酸回路」があります。クエン酸は「クエン酸回路」を構成する成分。エネルギーを作りだす重要な役割を担っています。注目したい効果は、肝機能を改善して肝臓病を予防する効果です。
お酢
酢に含まれている酢酸が、体内に入ると段階を経てクエン酸に変わります。お酢の中でも果実酢に多く含まれています。
柑橘類
レモンやみかん、グレープフルーツなどの柑橘系に含まれる、酸味成分です。特にレモンに多く含まれています。
梅・梅干し
梅の酸味成分がクエン酸です。特に梅干しには、レモンの5~6倍のクエン酸が含まれています。
肝臓へエネルギーを与えてくれるクエン酸
クエン酸は、生命エネルギーの生成にかかわる重要な成分です。1953年にイギリスの生化学者「ハンス・アドルフ・クレブス博士」が発見した「クエン酸サイクル」を構成しているのが特徴。クレブス博士は、この功績により1953年にノーベル医学賞を受賞しました。理論が確立されてから60年以上が経ちますが、その根幹を覆す理論は未だ発表されていません。
クエン酸サイクルは、クエン酸がブドウ糖を燃焼し疲労物質を分解することで、筋肉痛の緩和や疲労回復、免疫力の向上などを助ける、さまざまな健康効果のことを指します。
そのなかでも注目なのが、肝臓への働きです。クエン酸を摂取すると、脂肪やタンパク質をエネルギーに変換するので、肝臓にもエネルギーが行きわたるようになり、肝臓の負担を軽減できます。
肝機能を高める亜鉛やミネラルなどの吸収を促す効果があり、肝機能を向上。また、クエン酸サイクルが活性化すると、代謝が促進され脂肪燃焼率が上がるので、ダイエット効果にも期待できます。代謝が良くなれば、老廃物を正常に体外へ排出。その結果、尿酸値を下げることにつながり、痛風の予防にもなるのです。
他にも血液を浄化する作用があり、血管内のコレステロールを掃除してくれる効果が期待できます。クエン酸サイクルを維持することで、生活習慣病と呼ばれる肥満や高血圧などの疾患の予防につながるのです。クエン酸を効果的に摂取して、健康な体づくりを実現しましょう。
・人が生きて行くうえで欠かすことのできない「クエン酸サイクル」
摂りすぎると歯が溶けてボロボロに!
クエン酸を含む食品は、酸性度が高いので、大量に摂取すると、歯が溶ける酸蝕歯になる可能性があります。すぐに歯磨きをすると、歯を傷めるので、軽く口をすすいだ後、しばらく時間をおいてから、歯磨きをするといいでしょう。また胃腸が弱い人は、大量に摂取すると、胃腸が荒れてしまうので摂取量に気をつけましょう。
過剰摂取は効果なし!余剰分は体外に排出
疲れているからといって、大量にレモンや梅干しを食べてもあまり効果は期待できません。過剰に摂取すると、すべて体外に排出されてしまいます。クエン酸の1日の摂取量の目安は、2~5g程度。梅干しなら、1日2~3粒で十分です。疲労が溜まっているときは、レモンを加えるなど、体調に合わせて調整するといいでしょう。
ビタミンB群・糖質が100%効果を引き出す
クエン酸を単独で摂取しても、最大限に効果を引き出すことはできません。ビタミンB群や炭水化物(糖質)と同時に摂取することで、100%の力を発揮してくれます。これらの成分は、クエン酸サイクル(ATP)をサポートし、材料となる成分。より効率よくエネルギーが生産されて、疲労回復効果がより高まります。