肝機能ではたらくLDHの特徴を理解しよう
人間ドックや健康診断の血液検査でチェックできるLDH(乳酸脱水酵素)は、肝機能が正常に働いているかどうかの指標となる成分です。LDHとはそもそも、体が糖分をエネルギーに換えるために必要な酵素。肝臓だけでなく、心筋や腎臓、肺、赤血球、骨格筋などさまざまな臓器に存在しています。これらの臓器のどこかに異常が生じて細胞が傷つけられてしまうと、LDHの血中濃度が高まります。
120~240IU/Lの範囲であればLDH値は正常です。もし240IU/Lより高い場合には、先に挙げた肝炎や、肝臓癌などの各種癌、血液疾患などが疑われます。
この基準値は、男女によって違いはなく、食事では変動しません。ただし、検査前に運動をした場合には、値が高くなる場合もあります。きちんとLDHを測るためには検査前には安静にしている必要があります。
LDH値が異常を示している場合には、どの部分の臓器に異常があるかを調べるために、LDHアイソザイム検査を行います。
参考-「三菱化学メディエンス(株)臨床検査項目解説」
LDHが異常値を示した場合に行われる精密検査、LDHアイソザイム検査は、どの分子構造のLDHが多いかを調べる検査です。LDHには、LDH1からLDH5まで5タイプの分子構造があり、それぞれのLDHごとに存在する臓器が異なります。
肝臓の病気が疑われる場合には、LDH5が高値を示します。
もしも肝臓疾患がLDHアイソザイム検査で疑われる場合には、腹部CT、超音波検査、肝生検などの検査が行われます。また、血液検査のALPやGPT・GOT値などにも異常がないかをチェックします。
ちなみに、肝臓に異常があったとしても、慢性肝炎や肝硬変の場合にはLDH値があまり高くならないこともあります。LDHが基準値だったからといって、 それだけで安心とは言えないので注意が必要です。
参考- 岡山大学病院検査部/輸血部インフォメーション



LDHは1~5まで存在し、それぞれ存在している部位が異なります。LDH1・2は心筋や腎臓、赤血球に多く、LDH2・3・4は白血球や肺、LDH5は骨格筋や肝臓に多く含まれているのです。検査によってその器官から流出したものかを調べることで、どのような疾患の疑いがあるかを把握できます。
血中のLDH濃度は、基準値以上の場合次のような病気が疑われます。
これらの病気はあくまでも一例で、他にも筋ジストロフィーや腎梗塞など体の様々な場所に何らかの異常がある可能性があります。
これは、LDHが、いろいろな臓器に存在していることが理由です。
単にLDHが高いというだけでは、体のどの部分が不調をきたしているかは判別できません。詳しくLDHが異常値を示す原因を調べるためには、LDHの5種類のアイソザイムのうち、どのアイソザイムが増えているのか、また、その他の血液検査の数値に異常がないかなどを総合的に考える必要があります。
逆に、血中LDHが低い場合、どんな病気が疑われるのでしょうか?LDHが低値を表す病気はそれほど多くなく、珍しい病気としてはLDHサブユニット欠損症があります。その他、糖尿病の方も、糖代謝異常によりLDHが低下することがあります。
参考- 岡山大学病院検査部/輸血部インフォメーション
上記で紹介したようにLDHは、LDH1~5まで5種類のアイソザイムに分類されます。病気の種類によって各アイソザイムの数値がそれぞれ変化。LDH1~5までどの種類のアイソザイムに異常があるのかを調べた後で、その数値に属した部位の臓器を検査することができます。
アイソザイム検査はどの臓器に異常があるのかを調べるための検査なので、病気を特定することはできません。しかし、問題のある臓器を把握すれば、より精密な検査を行なうことができます。
例えば、肝臓に異常があると分かれば超音波や腹部CTで検査。腎臓の場合、尿検査や腎生検などで原因をつきとめることができます。原因を理解したうえで、日頃の生活習慣を見直しましょう。
肝機能が低下していることが原因でLDHが上昇していることもあります。LDHを下げるには、肝機能を高めることが必要です。まず、肝臓に負担をかける食生活には注意しましょう。特に注意したいのが飲酒です。過剰なアルコール摂取は肝臓に負担をかけます。飲酒をやめるというのは無理でも、休肝日を作ることは大事です。飲酒の量が多ければ、肝臓への負担はそれに伴って大きくなります。1週間に1日でも休肝日を作ることで、飲酒量が減り、肝臓への負担も軽減できるでしょう。
LDHの値が高い場合には、肝臓に負担がかかっているかを測る血液検査項目、ASTやALTの値もチェックしてみましょう。単純にLDHが高いと言うだけで、身体のどの部分が不調なのか、異変をきたしているかを判断することはできません。
そのため、LDHの値を上げないようにするための日常生活での注意事項は実に多岐に渡ります。肝臓を守り、LDHの値を上げないためには、次のようなことに気をつけるといいでしょう。
脂肪肝は、LDHの値を高くする原因となります。
脂肪肝の改善には、運動が効果的です。平成20年から平成24年にかけて医療法人社団 進興会の健康診断を受診した人を対象に、脂肪肝の出現・消失とライフスタイルの変化を調べた研究では、脂肪肝が消失したグループは、「週2回以上の運動」「1日1時間以上のウォーキング」をしていたり、食習慣の変化が見られたりしたことが報告されています。
1.「消失群」では、脂肪肝を認めた時に比べ、脂肪肝 が消失した時に「週に2回以上の運動」、「1日1時間以上の歩行」、「就寝前の夕食」、「夕食後の間食」、「朝食 抜き」について改善の方向にライフスタイルが変化し ている対象者が増えた(McNemar 検定:p =4.1e-06、 0.00044、0.00033、0.00036、0.00045)。「維持群」、「出現群」ではこのような有意なライフスタイルの変化を認めなかった。
2.3群ともに「飲酒回数」、「飲酒量」に ついては有意なライフスタイルの変化を認めなかった。
肝臓の異常に限らず、心筋梗塞や心不全などさまざまな病気の元となっているのが、生活習慣です。運動以外にも禁煙、お酒を控える、塩分の多い食事・油っぽい食事は控える、ストレスを溜めない、十分な睡眠をとるなどが挙げられます。
LDH値が高いというだけでは、身体にどんな異変が生じているかを正確に把握することができません。精密検査が必要と言われた場合には、しっかりと検査を受け、LDHを高くしている原因に合わせた対処が必要となってくるでしょう。
肝機能を高める食材の一つがにんにくです。栄養豊富なことでも知られるにんにくには、アリシンという成分が含まれ、肝臓の機能を高めてくれます。アリシンには、肝臓の代謝・解毒・排泄作用を高めるとともに、胆汁の分泌や排泄を促すという働きがあるのです。ほかにもメチオニンやチオコルニンといった成分が含まれており、肝臓の働きを促してくれます。アルコールを摂取する前ににんにくを摂ると、二日酔いになりにくいといわれているのはこのためです。
にんにくはビタミンB群をはじめ、多くのビタミンを含みます。そのため、体内の脂肪や糖質の消化・吸収をサポートし、栄養素を効率よく吸収できる手助けをしてくれるのです。さらに、疲労回復などの効果もあるといわれるにんにく。摂取するにはさまざまな料理で食べることもできますが、効率的に摂取するならサプリメントがおすすめです。にんにくの有効成分に加えて、牡蠣の栄養成分や、ビタミンEなどを含むサプリメントもあります。においを気にせずに摂取できるのも、サプリメントのメリットでしょう。

精密検査で発生部位を特定
健康診断でLDHが基準値からだいぶ外れていたため、2次検査を受けることに。LDHには5種類あるそうなので、どの臓器が損傷を受けているのかを分析していただきました。該当する臓器を調べてもらった結果、私の場合LDH5の数値が高かったので、肝臓を患っていたことが判明。通常の健康診断ではここまでしか分析できないのですが、とりあえず原因が知れて良かったです。

検査前の運動には注意です
健康診断で乳酸脱水素酵素(LDH)の数値が高かったので、本当に病気の疑いがあるのかを調べてもらいました。問題のある臓器を特定する検査で、腎臓に異常があることが分かり現在は治療中です。ちなみに、検査をする前に運動してしまうと数値が上がってしまうそうです。いったん上昇した数値はしばらく下がらないので、検査前はなるべく運動をしないように気を付けたほうが良いかもしれません。