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5Hepatitis

NASH
(非アルコール性脂肪性肝炎)

アルコール摂取量に関係なく発症するNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)

これまでアルコールが原因だとされてきた肝炎ですが、最近ではアルコールの摂取量が少ない人にも発症が見られています。NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)はアルコール性の肝炎同様、進行すると肝硬変や肝がんも引き起こす病気。その特徴や原因、改善法についてまとめています。

NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)とは

アルコール以外の原因で起こる肝炎

NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)とは、アルコールとは無関係に脂肪肝が肝炎を引き起こす病気です。脂肪肝とは肝臓に異常な量の脂肪が蓄積されてしまった状態のことで、進行すると肝炎を引き起こします。以前はアルコールの過剰摂取によって肝炎が引き起こされると考えられていましたが、近年ではアルコールだけでなく肥満や糖尿病も肝炎の原因になることがわかってきました。アルコール性肝炎と同じように、症状が進行すると肝硬変・肝不全・肝がんを発症。日本肝臓学会が公開している「NASH・NAFLDの診療ガイド」では、NASHの治療を行なわなかった場合、5~25%が5~10年後に肝硬変へ進行する傾向があると発表されている恐ろしい病気です。

参考-「NASH・NAFLDの治療ガイド2010」日本肝臓学会

http://www.jsh.or.jp/doc/guidelines/NASH-2010.pdf

Cause

NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)の原因

Check!
 

肥満

肝臓には必要なときに各器官へ栄養素を届けられるように、糖質・たんぱく質・脂質などを蓄える機能があります。消費エネルギーより摂取エネルギーの方が多いと、使いきれなかった糖質や脂質は中性脂肪として肝臓に蓄積されることに。その結果、脂肪肝になり肝炎を引き起こしやすくなってしまいます。

急激なダイエット

食べない・糖質オフダイエットなど急激に体重を落とすダイエットを行なうと、十分な栄養素が入ってこなくなるので肝臓が防御反応を起こします。筋肉組織の糖分を取り出し、過剰に中性脂肪を蓄積。脂肪肝が悪化して肝炎を発症します。

糖尿病・脂質異常症

糖尿病や脂質異常症を発症している人は尿中の糖分や血液中の脂質が高く、健康な人よりも肝臓に脂肪がつくリスクが高い状態。尿中の糖分や血液中の脂質は排出しきれず肝臓に蓄積し、たまった中性脂肪が肝炎を引き起こします。

 
SymptomBad!

NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)の症状

悪化するまで自覚症状ゼロのことも!

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれているほど、よっぽど病状が悪化しない限り症状があらわれません。NASHを発症しても自覚症状は無いと言われています。これは肝臓が代償能力に優れていて、ある程度ダメージを受けても残りの細胞で機能を維持できるため。「気づいたときには肝がんにまで進行していた」ということも多いので、定期的に検診を受けて体の状態を把握することが大切です。食欲低下や足のむくみ、疲れやすいなどの症状がある場合、肝臓に負担がかかっている可能性があるので特に注意しましょう。

Prevention Improvement

NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)の予防・改善

肝臓に良い食事を摂る

NASHの予防や抑制に効果があると言われている「ルテオリン」や「アスタキサンチン」を食物から積極的に摂取しましょう。ルテオリンはエゴマに、アスタキサンチンは桜エビや鮭に多く含まれています。NASH患者は肝臓に鉄分が溜まりやすく、溜まった鉄分が酸化して肝炎が悪化する可能性があるので、鉄分の取りすぎにも注意してください。

運動して代謝を上げる

肝炎の原因となる肝臓につきすぎた中性脂肪を解消するには、運動をしてエネルギーを消費することが大切。3キログラムほど体重を減量すればNASHが改善される可能性が高まります。急激に体重を落とすと肝臓に負担がかかるので、1ヶ月1キログラムのペースで減量しましょう。筑波大学の研究グループによれば、週250分以上運動すると体重に変化がなくても肝臓の脂肪が減少すると言われています。

十分な睡眠をとる

1日6時間以上の睡眠がNASHに効果的です。肝臓は私たちが寝ているときに、脂肪でつくったエネルギーを心臓へ送り届けているため、夜更かししていると肝臓の脂肪燃焼量が減ってしまいます。週に3日夜更かしすると年間で1キログラムも脂肪燃焼量が減ってしまうので、しっかりと睡眠時間を確保するようにしてください。